世界の一流は「雑談」で何を話しているのか|話す力より“つながる力”
「雑談がうまい人」は、話が上手い人じゃない。
相手に興味を持てる人のことだ――
そう教えてくれたのが、ピョートル・フェリクス・グジバチさんの『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』という本でした。
一見、軽いテーマのようでいて、読んでみると「雑談とは信頼をつくるための準備されたコミュニケーション」
という深いメッセージが込められています。
雑談は“偶然の会話”じゃない
この本で一番印象に残ったのが、
「一流の人は、雑談の前に下調べをしている」という話。
相手の最近の仕事や、業界の動き、興味を持っていそうな話題をあらかじめ頭に入れておくことで、会話の入り口が自然に、そして相手を尊重したものになる。
たとえば、初対面の人と話すときでも「最近あのプロジェクト拝見しました。あの取り組み面白いですね」
と一言添えるだけで、空気がまったく違ってくる。
その瞬間、“この人はちゃんと自分を見てくれている”と感じてもらえる。
この丁寧さが一流の雑談の本質なんだと思います。
雑談の下調べはめっちゃ気づきでした。
「何を話すか」より「どう関わるか」
本の中では、世界のビジネスエリートたちが、愚痴・噂・政治・宗教などの話題を避け、代わりに「文化・旅・趣味・映画」などポジティブな共通話題を選んでいると紹介されています。
雑談の目的は情報交換ではなく「相手との距離を近づけること(本書ではラポールと述べていました)」。
だから、一流の人ほど“話す”よりも“聞く”に集中する。
そして、相手が気持ちよく話せるように、さりげなく質問を返していくんです。
どう旅の教室でも感じる「雑談の力」
東大阪・布施にある動画編集スクール「どう旅」でも、授業の合間に交わす雑談の中から、その人の“本当の目的”が見えてくることがあります。「最近旅行に行って撮った映像を編集したい」「お孫さんの誕生日ムービーを作ってみたい」
そんな話をきっかけに、編集の練習テーマが決まっていくことも多い気がします。
雑談は人を知り、作品の方向性を見つける時間なんですよね。
「準備して話す」ことが、優しさになる
この本を読んで気づいたのは、雑談にも準備が必要だということ。
人と会う前に、その人の仕事や好きなことを少し調べておく。
それだけで、会話の中に“思いやり”が生まれる。
雑談はスキルではなく心の余裕。
相手に敬意をもって向き合うことが、結果的に“信頼される人”をつくっていくんだと思います。
まとめ:雑談は、関係を深めるための最高のツール
この本は「雑談=軽い話」とは正反対のことを教えてくれます。
それは、雑談こそが人間関係を支える基盤であり、準備と関心の積み重ねが、深いつながりを生むということ。
日常の会話の中でも、「少しだけ相手に興味を持ってみる」それだけで、関係の景色は変わる。
雑談は言葉を交わす技術じゃなくて、人を理解しようとする姿勢のことなんです。


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